周りの子どもと比べて成長が遅いように感じるときは、どう考えればよいですか?
成長のペースには大きな個人差があります
同じ年齢の子どもが上手に話したり、走ったり、身の回りのことを一人でできたりする姿を見ると、「うちの子は成長が遅いのでは」と心配になることがあります。しかし、乳幼児期は月齢差だけでなく、得意なことや興味の向き方、生活環境などによって、発達の現れ方に大きな違いがある時期です。国の保育に関する指針でも、乳幼児期は個人差が大きいため、一人ひとりの発育・発達の状態に応じて見守ることが大切とされています。
言葉がゆっくりでも、表情や身ぶりで気持ちを伝えることが得意な子もいます。運動面では慎重でも、絵本をじっくり見たり、手先を使った遊びに集中したりする子もいます。一つのできる・できないだけで、子どもの成長全体を判断しないことが大切です。
成長を見るときは、周りの子どもではなく、「数週間前や数か月前のわが子」と比べてみましょう。
「以前より目が合うようになった」「伝えたいことを指さしで示せるようになった」「自分で着替えようとする姿が増えた」など、小さな変化も立派な成長です。
できるようになったことを簡単にメモしたり、写真や動画で残したりすると、日々の変化に気づきやすくなります。結果だけを見るのではなく、子どもが興味を持ったことや、挑戦しようとした過程にも目を向け、「やってみたね」「ここまでできたね」と認めてあげましょう。
発達の目安は「合否を決める基準」ではありません
母子健康手帳や育児書、インターネットなどで紹介されている発達の目安は、子どもの状態を知るための参考になります。ただし、「この年齢なら必ずできなければならない」という合否の基準ではありません。
言葉、運動、社会性、生活習慣などが、すべて同じ速さで発達するとは限りません。ある力が先に伸びる子もいれば、しばらく変化が見られなかった後に、できることが一気に増える子もいます。発達については一度の結果だけで判断せず、時間の経過とともに継続して見ていくことが重要です。
「まだできない」と考えるだけではなく、子どもがどのような方法で気持ちを伝えているのか、どのような遊びを楽しんでいるのか、どのような場面で困っているのかを丁寧に見てみましょう。
家庭以外での様子も聞いてみましょう
保育園や幼稚園に通っている場合は、先生に集団生活での様子を聞くことも参考になります。
家庭ではあまり話さなくても、園では友だちや先生に積極的に関わっていることがあります。反対に、家庭では気づきにくい困りごとが、集団生活の中で見えてくる場合もあります。
先生と情報を共有することで、子どもの得意なことや苦手なことをさまざまな角度から捉えやすくなります。
心配が続くときは早めに相談して構いません
発達について相談することは、すぐに診断を受けることと同じではありません。相談によって、その子に合った関わり方や遊び方が分かり、保護者の不安が軽くなることもあります。
特に、以前できていたことができなくなった、呼びかけへの反応や聞こえ方が気になる、日常生活で本人や家族の困りごとが大きいといった場合は、一人で抱え込まずに相談しましょう。かかりつけの小児科、乳幼児健康診査、市区町村の保健センターなどが相談先になります。発達について気になることがある場合は、早めに専門家へ相談することが勧められています。
周囲と比べて焦るよりも、子どもが今できることや楽しんでいることを出発点にすることが、次の成長につながります。子ども一人ひとりの歩幅を尊重し、必要なときには周囲の力も借りながら、ゆっくりと成長を見守っていきましょう。


